5人のシャコンヌ
ケンサク 2006/05/21(Sun) 14:27 .557

5人のギタリストによるシャコンヌを聴き比べてみました。

●録音された順に並べると、
初めはセゴビヤによるシャコンヌ(1954年録音)。
セゴビヤといえば、ギターで初めてシャコンヌを弾いた人です。
最近の若い演奏家の演奏に比べるとかなりゆったりとしていて地味さを感じますが、ギターの特長である音色の豊富さをふんだんに生かした、さすがの演奏でした。同じ和音でも場所によって異なった音色が響くんですよね。地味でも滋味があります。

●ぽんと時代がとんで1980年に録音された山下和仁(かずひと)さんによる演奏。山下さんはヨーロッパの主要なギターコンクールを16歳の若さでかっさらった、いわば天才ギタリストです。このアルバムも弱冠19歳当時の演奏です。
ともかく、早い。驚くべきテクニックです。音の激流に飲み込まれてしまいそうでした。

●またぽんと時代が飛んで福田進一さんによるシャコンヌ(2000年録音)。
福田さんといえば演奏家としても教育者としても現在の日本ギター界に君臨している感があります。かの村治香織さんも鈴木大介さんも福田さんの門下です。
演奏の方は、たっぷりとした豊さを感じるものでした。セゴビヤ編曲のシャコンヌよりもそうとう音が増えているんではないでしょうか。福田さん自身が編曲されています。

●次に村治奏一さんによる演奏(2003年録音)。奏一さんは村治香織さんの弟さんですが、すでにお姉ちゃんにも引けをとらない存在感を持ち始めていますね。彼のシャコンヌもエキサイティングでした。やはり若さは特権だなぁ、と改めて。

●最後に原 善伸(よしのぶ)さんによる演奏(2004年録音)。
先の4方の演奏時間を列記すると、
セゴビヤ(13分50秒)
山下和仁(13分29秒)
福田進一(14分 5秒)
村治奏一(13分32秒)
となりますが、原さんのシャコンヌは17分9秒。
まったく違った感じのシャコンヌでした。
ゆっくり一音一音を丁寧に響かせるシャコンヌ。
瞑想的で知的なものを感じます。


またまた、辻まことさんです。
Rinko 2006/05/10(Wed) 10:27 .549

こんにちわ。

辻まことのコーナーが模様替えになりましたね。
名前にはお互い気をつけましょう。フフッ。

さて、また確認できない話で、確認が出来たらお邪魔しようと思っていたのですが、いつになるか・・・

で、ご興味がわきましたらおついでの時にでもと思いまして
一つテーマの提供です。

まことは、小学生のとき寺の息子をそそのかして卒塔婆でスキーを作るというとんでもない遊びをしたのがスキー初体験だったというのを読みました。それがなんというタイトルの随筆なのか確かめれないでいるのですが、それを読んだとき、その場所が大森だと私は思ったのです。

それだけのことなのですがね。
久々に書きにきました。


  Re: またまた、辻まことさんです...
ケンサク 2006/05/10(Wed) 11:55 .550
 

Rinkoさん、
いらっしゃいませ!

>フフッ
えっ! お気づきでしたか?
そうですよね、気づきますよね・・・
「瀬戸内寂聴」さんを「瀬戸内寂静」さんと書いて2〜3年曝していたのもそうとう恥ずかしかったですが(寂聴さん、すみません)、
「竹久夢二」を「竹下夢二」もね。
有名人は目立つので困ります。
インターネット検索すると同じ間違いをしている方がいらっしゃるので、少し救われますが(笑)。

>卒塔婆でスキー
は私もどこかで読んで印象に残っていたので『山の声』かなと思ったのですが、見つけることができませんでした。
Rinkoさんの所で読んだのかもしれません。

辻まことさんが大森にいたのは20代前半の2〜3年だと思うのですが、
子どもの頃も大森の近くの蒲田・川崎にいたようなので、大森まで遊びに来た可能性大ですね。
詳しいことが分かったら教えてください。
よろしくお願いいたします。


  Re: またまた、辻まことさんです...
Rinko 2006/05/14(Sun) 22:42 .553
 

どーもデス。

>卒塔婆でスキー
これこれ、見つけました。
「駄足スキーヤーの駄足的スキー史」というもので、初出は岳人スキー別冊で1972年。『居候にて候』と全集2に収録の話でした。面白い画つきなので、いつか見てください。
場所は洗足池畔桜山ですね。
で、大学生は工大生のようです。
1926年冬蒲田のときですね。

それと、
>えっ! お気づきでしたか?
そうですよね、気づきますよね・・・

もう一年以上前、発見してすぐメールしたんですよ。
なにしろ、まことさんのところなもんで、私の役かななんて思って。きっと、削除しちゃったんですね。(*^_^*)


  Re: またまた、辻まことさんです...
ケンサク 2006/05/15(Mon) 00:13 .554
 

Rinkoさん、
見つかりましたか!
ありがとうございます!

やはりここいらだったのですね。
洗足はその昔、馬込村の一部だったのでばっちり私のテリトリーですね(笑)。
「駄足スキーヤーの駄足的スキー史」は、ぜひ読んでみたいです。

メールをくださっていたのですね。
ありがとうございます。
ホームページに出していたアドレスにスパンメールがごっそり届くようになってしまい、1〜2年ほど前、お釈迦にしたのです。
申し訳ありません!


嶽本野ばらさんと『花物語』
ケンサク 2006/05/03(Wed) 23:36 .548

面白い方の講演を聴いてきました。

小説家の嶽本野ばらさん。彼が馬込文学圏に住んだこともある吉屋信子の『花物語』について語るというのです。

場所は、横浜は「港の見える丘公園」にある神奈川近代文学館。
『花物語』は読んでいましたが、講演を聴く下ごしらえとして野ばらさんの『カルプス・アルピス』(小学館)も読んでおきました。『カルプス・アルピス』はハッとするぐらい面白かったし、野ばらさんはロリータ系の女の子たちに熱く支持されているというので、お会いしたり、お話を聞くのが楽しみでした。

会場を埋めるのは女の子が6割くらいかなと踏んでいましたが、予想は外れ、会場をまさに女の子だらけ。ぐるりと見渡すと男は私を含めて3〜5人かな? 心細い限り。

女の子たちのキャーという声に迎えられて出てきた野ばらさんが、吉屋信子と『花物語』についてとつとつと語っていくのです。初め、なんとゆっくり話す人かと驚きましたが、聴いているうちに、彼は自分の体の中に言葉が生まれてくるのをゆっくり待ちながら話す人なのだなと妙に納得しました。誠実な方なんだと思います。

話では、吉屋信子と芥川龍之介が同じ世代ということに着目し、二人ともキリスト教への感化と、また納得しきれない部分に反発を覚えながら作品を書いていったのではないかと提起されていました。キリスト教は一神教であり、男性中心主義に結びつきやすいというのが野ばらさんの考えのようです。面白い論だと思います。

面白かったです。が、さすがに講演後の撮影会は遠慮させていただきました(笑)。
http://www.novala.quilala.jp/


映画『憂国』
ケンサク 2006/04/29(Sat) 09:45 .547

のんびりしていると感動が蒸発してしまいそうなので、これも早めに書くことにします。先日、三島由紀夫の映画『憂国』を見てきました。

この映画は瑶子夫人(三島由紀夫夫人)の意向で永らく封印されてきたもので、たぶんもう見ることができないだろうと半ばあきらめていたところ、どういう経緯があったか少し前からDVDになるとか、映画館でやるとかささやかれ始めたのです。それで、近場の映画館でやるというのですっとんでいった次第。

白黒画面で、会話はなし。ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が全編を流れます。簡単なストーリーは絵巻物の文字で紹介されます。活字嫌いの人は、もうそこで背を向けそうな感じです。

結婚したばかりでここで命を落とすのはあまりに可哀想だという理由で、2.26事件の決起メンバーから外された武山中尉が、事件後、同士である反乱軍の鎮圧に当たらなければならないことになるというのが大筋ですが、結末はご存じの方も多いかと思います。

三島由紀夫自身が武山中尉を演じていました。映像はリアルで目を背けたくなるような所もありました。切腹の場面では、むろん昭和45年のあの日のことが思い起こされます。痛かっただろうな、と涙が出そうになりました。自裁した夫の後を追う夫人が鏡に向かって薄化粧する場面は殊の外美しかったです。

キネカ大森で5月12日まで上映しています。
http://www.cinemabox.com/schedule/omori/


古川展生氏のバッパ
ケンサク 2006/04/27(Thu) 16:33 .546

ここには、10日に一度くらいのペースで、すごく書きたいことがあってもなくてもそのペースで、何か書いていこうと思っているのですが、昨晩のコンサートのことは何が何でもすぐに書きたい。

去年の夏、東京都交響楽団のマーラーの5番を聴きに行った時、やたら目立つ一人の楽団員がいました。古川展生氏。東京都交響楽団の主席チェロ奏者である。

何で目立っていたかというと、演奏の合間合間に、彼はチェロの弓の解れた毛を抜いていました。そんなに解れてしまうほど激しく弓を曳いているということでしょうが、その何となく悠然とした感じに引きつけられました。演奏後にいっしょに聴いていた妻に訊いてみたら、やはり彼に目が釘付けだったというのです。彼女の場合はリハーサルの時、かの尊敬すべき指揮者の若杉弘氏が話している時に指示に真面目に耳を傾けているように見えなかったというのです(笑)。やはり、悠然としたものを感じたのでしょう。

後でその古川展生というチェロ奏者の人気を知りました。ソロでアルバムもたくさん出しています。それじゃ、ちょっとリサイタルにでも行ってみよう、と昨晩、蒲田のアプリコ小ホールまで脚を伸ばしたのです。

演目は、1時間30分バッパばっかり。さすがのバッハ好きの私も途中で飽きはしまいかと、ちょっと心配でした。ましてや妻は勇壮な交響楽が好みで、さらには最近仕事のためかなりの睡眠不足です。「眠らないかな」「だいじょうぶかな」とさかんに心配していました。

ライトが落ちて、古川氏が出てきました。

チェロを構えてしばし瞑目。
その後の、時には激流が迸るような、時には野原にそよ風が渡るような演奏に、時を忘れました。最後の「無伴奏チェロ組曲第6番」が終わりに近づき、演奏もいよいよ佳境に入り、その超絶的な指さばき・弓さばきはもうどうなっているんだがさっぱり分からないほど激しく、聞き入る私の血は一気に沸点に達しました。妻も眠るどころの騒ぎではなかったそうです。すごいバッパがあるものです。

今でも興奮さめやらないといった感じです。
大きなプレゼントをもらった気分でもあります。

古川さん、「ありがとうございました」
http://www.live-1.com/nobu_f/