Hのこと
ケンサク 2006/02/13(Mon) 14:27 487

といっても「エッチ」のことではない。
大学のギターサークルにいたHのことである。
誰しも、尊敬できる人を5人くらいは数えることができるものだろう。
「私にとって、Hは、まさに、そういう一人である」といった話だ。
社会人になってからは一度も会っていない。
だから、私の中のHは20歳前後の青年のままだ。
でも、その青年を、今でも私は尊敬している。

Hはいつもフツーのジーパン(色が落ちているとか、意図的に穴が空けられているとかいったものではなかった)に、
上はいつも白のワイシャツだった。
なぜ白のワイシャツなのかといえば、
おそらく、高校の時、制服の下に着ていたものをそのまま使っていたのだろう。
つまり、オシャレけのないやつだった。
のっぽのHがそんなカッコでいつもギターを抱えている、
そんな姿ばかりが思い出される。

Hがギターを自分で作っているという噂が流れた。
「今、Hはギターのネックの部分に取りかかっている」とかいう制作進捗の様子は、
サークルのなかでそれとなく話題になっていた。

そしてとうとう、夏合宿の時にHがその自作ギターを持ってきた。
ちょっと見は、変哲のないギターだった。

だれが気を利かせたのか、
Hのギターのお披露目の時間が設けられた。
Hは大切そうにそのギターを抱えてみんなの前に出てきて、
ちょこんと頭を下げ、
おもむろにアルベニスの『アストリアス』を弾き始めた。
驚くほど柔らかい音だった。
その柔らかい音が、次第に激しくアルペジオを上りつめていく。
予想を遥かに超えるものだった。

弾き終えた後、一瞬、みんな拍手するのすら忘れているふうだった。
しばらくして、一人が「ブラボー! ブラボー!」と叫び、
それを合図に、みんなも我に返って激しく拍手し始めた。
Hのギターの完成と、そのギターにこめたHの思いを心から祝福したい、
みんなそんな思いだっただろうと思う。

そんなHと、Hのギターのことを、今でも思い出す。
Hはあこがれである。
また、思い出すと何かむち打たれるような、そんな気もする。
そんな存在でもある。


大きいことは、いいことだ
ケンサク 2006/02/08(Wed) 15:47 .484

先週末、
久しぶりに映画館に入って映画を見たんだけれど、
ストーリーとさして関係ない、
単にカメラが風景をパンしているだけのシーンにも、
なぜか、涙、涙であった。
ふだん家で見ているテレビが小学校低学年用の粘土板たらずなので、
大画面を間近にして、目が激しく驚き、感動するのだろうか。

マチスかイブ・クラインか誰かが
「大きな青は、小さな青より美しい」
とかなんとか言ったそうだが、
なるほど、そういうことかもしれない。


言葉の使い方は難しい
ケンサク 2006/02/01(Wed) 15:20 .483

根がミーハーなので、
有名人に会うのが大好きだ。
前にも、可憐なるギタリスト○○○○さん(むろん実力派でもある)にお会いしたことを自慢した。

もう一つ、どうしても自慢したいのが、
あの『○○○記念日』の○○○さんにお会いしてお話をうかがったこと。
『○○○記念日』を読んで大感激した直後だったので、
天に舞い上がる気分だった。
想像していたよりも小柄で、そしてずいぶんときれいな方だった。

1時間ほどお付き合いいただいて、
いろいろ楽しいお話をうかがったのだが、
1つだけ、しまったなと思うことがある。
彼女の高校教諭時代のことに話が及んだとき、
「その時の生徒がうらやましい」
「私も○○さんに教わりたかったです」
と軽々しく感激を露わにしてしまったのだ。
「あら、いやらしい」とあしらわれてしまった(むろん微笑みながらだが)。
言葉の使い方は難しいものだと思う。


ドキッとした
ケンサク 2006/01/29(Sun) 10:52 .482

毎朝、ほんの5分ほどだが(難しいので5分以上集中できない)、
子母澤 寛の『勝海舟』を楽しんでいる。
ようやく全6巻中の3巻目に突中した。
いよいよ風雲急を告げるといった感じで、
こちらの肩にまで力が入ってくる。
今も難しい時代だと思うが、
幕末もたいへんな時代だったんだなとつくづく。

今日も読んでいて、面白い言葉があった。
「動悸っとした」。
これが「ドキッとした」の語源でしょうね。
なるほどです。


マティラム・ミスラ
佐藤 2006/01/23(Mon) 19:47 .477
こんばんは
この件は自分も小さい頃から気になっているので、興味深く拝読させていただきました。谷崎は「ハッサン・カン……」もありますが、「魔術師」も関係するようです。両者をつなぐ、文士村在住の方もいるようですし。

  追伸
佐藤 2006/01/23(Mon) 19:58 .478
  「ミスラ」がところどころ「スミラ」になっているのではないかと……

  Re: マティラム・ミスラ
ケンサク 2006/01/23(Mon) 23:03 .479
 

佐藤様、こんばんは。

谷崎には「魔術師」というのもあるんですね。
面白そうです。

>両者をつなぐ、
>文士村在住の方もいるようですし
謎めいたお言葉、
北原白秋でしょうか?
それとも萩原朔太郎??

『大森地獄谷飲み屋街薄ら雪』という長い題名の本があるんですが、
著者の欅館氏は、
マティラム・ミスラの住まいは北原白秋の家がモデルになっているのでは?とその本で書いています。
芥川が白秋城を訪ねた時の記録を読んだら何か分かるかもしれません。

ミスラの方は「ミスら」とオチをつけようと思ったのですが、
ミスラの方が正しいのですね(笑)。

いろいろありがとうございます!


  Re: マティラム・ミスラ
ケンサク 2006/01/24(Tue) 00:56 .480
  スミラを全部ミスラに直しました。
佐藤様、ありがとうございます!