アストリアスと携帯電話
ケンサク 2005/09/12(Mon) 12:30 324

10年ほど前のことです、
ギタリストの村治香織さんにインタビューすることになりました。

インタビューまで残すところ数日というある日、
彼女の所属事務所から、
コンサートのチケットが届きました。
インタビュー前に聴いておいた方がいいだろうとの配慮です。
「やったぜ、ラッキー」と、
うきうきと上野のコンサート会場まで足を運んだのでした。

コンサートが始まりました。
予想を遥かに越える素晴らしい演奏と、
彼女の可憐さに、耳と目は釘付けです。

コンサートもいよいよたけなわ、
楽しみにしていた「アストリアス」の演奏です。
彼女は驚くべき早さで弦をかき鳴らし、
オリエンタルなムードを紡ぎ上げていきます。
ところが、その演奏中、
客席から携帯電話の呼び出し音が鳴り始めたのです。
そして、それがなかなか鳴り止まない。
ギターの繊細な音にオーバーラップして、ピロピロ、ピロピロ(笑)。
いえ、笑い事ではありません。
「アストリアス」の後半部分は、ほぼ携帯の伴奏付きになりました・・・

インタビューの時、私は真っ先に、
“アストリアスと携帯電話”の話題を出しました。
「携帯電話の音が気になりませんでしたか?」
すると彼女、「鳴ってましたね」と笑顔で答えるだけで、
さして気にしているような感じでありませんでした。

さすがの高校生です。
そう、その頃、彼女はまだ高校生だったのです!

その後の大活躍を嬉しく思います。

村治香織さんのオフィシャルサイト→


馬込・・・
ポタリング 2005/09/06(Tue) 15:15 321

初めまして。72年に大森駅に着いて以来、途中あちこち数年ぬけましたが、住んでから30数年になります。中学の頃に「歴程」「アルプ」など詩が好きであれこれ・・・解らないながら朔太郎や室生、立原道造、堀辰雄etc、馬込を意識しての上京でしたので、三島由紀夫邸や岡本太郎設計の個人邸やら、散歩の思いでがあり、こちらのホームページも以前から覗いて居ました。

特に、辻まことは「岳人」の表紙の絵や言葉が好きで、拙いながら辻潤ともにあれこれ読み、スキー、登山、絵、諸々真似事ですが、辻まことの様に生きてみたい・・・笑 一人遊びできました。

馬込もだいぶ変わりましたが、家賃、自意識、幻想に惑いながら出来る限り、住み続けたいと思うこの頃です。

因に、以前 文士会館があった南馬込のビルは最初に勤めた会社の本社でした。 
          駄文にて失礼しました。


  Re: 馬込・・・
ケンサク 2005/09/06(Tue) 16:09 322
 

ポタリング様
はじめまして。
お書き込み、ありがとうございます。

「歴程」「アルプ」「岳人」関連がお好きなんですね。
ようやく最近、私も、
これらに掲載されるような清冽な印象の詩(読んでいないので想像ですが)に憧れを持つようになってきました。
馬込周辺には、草野心平や山本太郎など「歴程」関係の方もいたようなので、
折を見て取り組もうと思っています。

「岡本太郎設計の個人邸」というのは、
天祖神社の脇にあったものでしょうか。
私が来た頃にはまだ残っていて、
その天を突く造形に、
初めて見たときは度肝を抜かれました。
周りの住人の反対で取り壊されたとも聞きます。
危険が及ぶ可能性があるというのではやむを得ませんが、
残念なことです。

>辻まことの様に生きてみたい
私もあんな風に生きることができたらいいなと思います。

一人遊びはいいですよね、“競争”がないし。
南馬込に文士会館があったとは初耳です。
知らない馬込がたくさんあるんですね。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。


三ツ石に参る
ケンサク 2005/09/03(Sat) 20:31 320

週末、湯河原に一泊しました。

宿の窓を開けたら、遠く、真鶴半島が見えました。
半島の先っぽには、三ツ石という3つの大きな岩があり、
そこに波がぶち当たって、遠目にも白い波頭が立っているのがよく分かります。
かなり大きな波だと思いました。
「明日そこまで行ってみよう」ということになりました。

翌朝、半島のうねうねした道を辿りました。
行き止まりで車をおり、階段を下っていくと、
そこは広々とした磯で、
テントを張ってバーベキューを楽しんでいる家族や、
磯遊びをしている若者達の姿がありました。
熊手を懸命に動かしているおじさんたちは、
何を取っているのでしょう。

潮が引いていて、運良く三ツ石まで磯続きです。
しかし、台風の影響か波は荒く、
また数100メートル先の三ツ石の方には全く人影がありません。
潮もしだいに満ちてきているようなので、少し心配です。
あそこまで行くのは、ちょっと危険かもしれません。
行ったは良いけど、海水に退路を断たれたら洒落になりません。

迷いました。
でも、ここまで三ツ石に近づいてみると、
砕ける白波はいよいよ見事です。
また、岩と岩の間に渡されたしめ縄と、
岩の頂上あたりに、わずかに祠が頭を出しています。
なんとかそこまで行って、お参りしたいと思いました。

妻と私は気を引き締め、
岩に向けて歩き出しました。

足を置いたところからフナムシが一斉に放射状に逃げていきます。
左右の波はどんどん迫り、緊張します。
波に濡れた岩はヌメヌメで、手も使って前進していきました。
目の前の 三ツ石は、でも、なかなか近づいてきません。

ようやく基部にたどり着くと、
三ツ石は眼前にそそり立ち、
頭上のしめ縄が巨大で、厳粛な感じがします。

岩の裏に回ると斜面は緩やかになっていて、
これ幸いと、私たちは、慎重に這い登って行きました。
登るごとに海は広くなり、頬をうつ海風が爽やかです。

祠にたどりついた時は
私たちは、もう、青い海に取り囲まれているかのようなそんな気分でした。
祠の賽銭は、どれも白くまたは青くサビが浮いていて、
たぶんお参りする人は少ないのでしょう。
財布の中の小さいコインが指に触れましたが、
ここは奮発して今までになく大きいコインをそっと置いてみました。

どうぞ、いろいろと御利益がありますように・・・


いいことを言うネエ〜!
tomkoba 2005/08/27(Sat) 19:03 317
顔を見せ、汗を見せ、地域に体をさらす・・・
一瞬俺のことを言っているのかと思ったヨ。
そんな職人になりたいと思っていたから・・・。
見直されるかどうかわからないけど、そのへんのところ、
ひたむきに・・いいかげんに・・やりたいんだ。

  Re: いいことを言うネエ〜!
ケンサク 2005/08/27(Sat) 21:58 318
 

tomkobaさん、
こんばんわ!
横浜の私の姉の家に遊びにいって、今、帰ってきたところです。
海の公園の花火がきれいでした。

>顔を見せ、汗を見せ、地域に体をさらす
tomkobaさんも、その意気込みでやっておられるのですね!
なんか分かるな。
仕事って、物や、お金や、(商品としての)サービスだけを交換しているんじゃないんですね。


顔を見せ、汗を見せ
ケンサク 2005/08/25(Thu) 15:22 316

いつの頃からか、近所を、
ユバ屋さんが屋台を引いて行商している。
ピーポー
ピーポー
と、チャルメラをのどかに鳴らしながら売り歩いている。

正直いって、商売として難しいと思っていた。
どこのユバ屋さんか、どんなユバか、
いかほどのお値段か、分からない。
お客に売っている姿を一度も見たことがなかった。
大変だろうなと思っていた。

ある日、細い道を歩いている時、
後ろにそのユバ屋さんがいて、
前から子どもの手を引いた母親がやってきた。
子どもは仮名を覚え始めたとみえ、
私の後ろにいるユバ屋さんのノボリを指して、
「ユバ、ユバ」と言っている。
母親は、「そうね、ユバね」と応えていた。
が、買うでもなかった。

それからも、何度かユバ屋さんを目にし、
また、ピーポー、ピーポーと何度かチャルメラを聞いた。
頑張っているなと思っていた。
でも、申し訳ないが、正直いっていつまで続くだろうか?
と思っていた。

先日、環状7号線の近くを歩いている時、
また、そのユバ屋さんに出会った。
彼は炎天下で汗だくになっていたが、
相変わらずいっこうに売れている風でなかった。
ところが、その時、一人のお婆さんがトコトコとユバ屋さんに近づいていって「○○、あるかしら?」と話しかけているではないか。
○○の部分は聞き取れなかったが、
ユバ屋さん、「ええ、ありますよ!」と爽やかな笑顔で応えていた。

私は、ハッとした。
お金を入れると品物が出てくるとか、
品物をカウンターにもっていけば会話なしで買い物ができるとか、
ひいてはクリック一つで買い物できるとか便利な世の中になったが、
反面、売る人と買う人が一瞬にして心を通い合わせるショッピンからはどんどん遠のいている。

このユバ屋さんに、
顔を見せ、汗を見せ、地域に体をさらすといった
これから見直されるだろう商売や仕事のあり方を見たように思った。