ちょいと馬込文学散歩
ケンサク 2004/08/08(Sun) 11:39 No.128

昨日の夕方、ぶらりと馬込文学散歩に出ました。

馬込文学の研究家、野村 裕の家と、
児童文学者であり明治大学の教授でもあった吉田甲子太郎(よしだきねたろう)の家を確かめようと思ったのです。
野村 裕の『馬込文士村の作家たち』によると彼の家の真ん前が吉田甲子太郎の家とのこと。
明細地図でも「野村」「吉田」と向かい合っています。

環状7号をNTTのところで馬込の方に入って小径をたどると、両側に両人の家。
2つの家とも、こじんまりと品よく佇んでいました。

ちょいと足を伸ばして、馬込図書館に。
民間委託になって、土・日も19時まで開館しているのが嬉しいです。
馬込文士関連の書籍が荒れがちなのに心痛めていましたが、
ここのところ管理が行き届くようになり、ほっとしています。
ありがたいことです。

図書館でのお目当ては、石坂洋次郎の馬込九州閣時代の作品とおぼしき『海を見に行く』。
ありました。最近、復刻された美本です。
最初の一行だけつまみ食いしてみましたが、意表を突く一文で、期待が高まります。

Rinkoさまが話題提供してくださった関口良雄関連の本も覗いてみました。
『関口良雄さんを憶う』という小冊子をぺらぺらしていたら、
野呂邦暢(のろくにのぶ)の「花のある古本屋」という一文がありました。
沢木耕太郎にも「花のある古書店」というのがあるとしたら、
同名の一文ということになります。

野呂の上の文章によると、山王書房には毎日違う花が生けられていたというのです。

前回の書き込みで、野呂がブールデルの(彫刻の)写真集を関口に値切って叱られたと書きましたが、
ちょっと勘違いしていました。
お金のなかった野呂は毎回関口に古本を値切っていたが、ある日叱られる。
しかし、野呂が故郷にいよいよ帰るというとき、
この期を逃したらもう手に入れることができないと思って、
ブールデルの写真集を、思い切って買ってしまうという話でした。
その時、1500円だったその本の代金の1/3を関口がどうしても受け取らなかったという話でした。

いい話です。こういった売買における心の交流こそ、商取引の基幹だと思いました。
経済の活性化なんかよりもね。


  Re: ちょいと馬込文学散歩
Rinko 2004/08/08(Sun) 16:50 No.129
 

ケンサクさま

沢木耕太郎に関して、不確かなことをかいてごめんなさい。
探せばあるのですが、何しろ物置に入ってしまった本で
この暑さでは、探すのが億劫です。

>沢木耕太郎にも「花のある古書店」というのがあるとしたら、
> 同名の一文ということになります。

それでは、私の勘違いでしょう。
沢木耕太郎が書いた古本屋の話はうろ覚えです。
でも、なんだか山王書房だと、いいなとごちゃ混ぜにしてしまったかもしれません。

野呂邦暢作品集を持っているのですが、
そこに「花のある古本屋」は載っていません。
「山王書房店主」というタイトルの随筆に
>お金のなかった野呂は毎回関口に古本を値切っていたが、ある日叱られ・・・・・・・・・・・・・・・
この話を書いています。
そうすると、「花のある古本屋」を私は別の本で読んだことになりますね。
それで、その題は沢木耕太郎の随筆のタイトルと思い込んだと思います。
気が向いて、物置から取り出したら、
その文のタイトルとすじをお知らせします。
失礼しました。



  Re: ちょいと馬込文学散歩
ケンサク 2004/08/08(Sun) 22:37 No.130
 

Rinkoさま

>不確かなことをかいて
いえいえ、ありがたく思います。

沢木耕太郎と大森・山王書房との関係はこちらでも調べてみたいと思います。
分かったことがあったら、Rinkoさんのサイトに報告に伺いますね。

>花のある古本屋」を私は別の本で読んだことになりますね
なんか謎ですね。
沢木耕太郎の同名の文がある可能性も高いと思います。
そうだといいな♪

ではでは。


山王書房
Rinko 2004/08/05(Thu) 10:01 No.126

ケンサクさま

ちょっとご無沙汰でした。
本日、雑多な仕事を抱えて、何からしたものかと思ってるのに
思い出してしまいました。

山王書房は今もあるのでしょうか?
野呂邦暢が「山王書房店主」という短文を残されています。
店主は関口良雄さん、遺稿集として「昔日の客」が作られたそうです。
日本近代文学館には、関口さんによって、尾崎一雄、上林暁の全著作が寄付されているようです。
もうご存知かも知れませんね。

もうひとつ、
沢木耕太郎も、大森に住んでいたと何かで読んだのですが
沢木耕太郎にも「花のある古書店」だったか店頭にいけばなを飾る本屋の話があります。
それも、もしかしたら大森だったのじゃないかなぁと思っているのですが、頭の隅に置いといていただけたらうれしいです。
こちらは全くの推測です。

ではでは、仕事にかかります。


  Re: 山王書房
ケンサク 2004/08/05(Thu) 11:48 No.127
 

Rinkoさま
いらっしゃいませ!

山王書房をご存じでしたか。

山王書房の雰囲気を受け継いでいるとされる古書店「天誠書林」の和久田氏に
山王書房のことを尋ねたら、地図を描いてくださいました。

「店構えが少しは残っているかな」
期待して見に行ったのですが、
残念! 跡形もありません。

今でもご家族の方が住まわれているようで「関口」の表札はかかっています。

『昔日の客』もご存じでしたか。
『昔日の客』に野呂邦暢とのこともありました。
若い頃の野呂、ブールデルの本が欲しいのにお金が足りず、
関口さんに値切るって話です。
それで、関口さんに叱られるっていう。
あの話、好きです。

山王書房には、三島由紀夫や尾崎士郎もちょくちょく顔を出していたようですね。

先日、近代文学館のコレクション一覧の中に「関口良雄文庫」というのを見つけました。
尾崎一雄、上林暁の全著作を関口氏(山王書房の主人)は寄附されているんですね。

大森にゆかりのある作家はどうしても大正から昭和の初期に活躍された方に偏ります。
今も活躍されている作家にも触手を伸ばしたいと思ってましたんで、
沢木耕太郎情報、ことの他、嬉しく思います。
「花のある古書店」が見つかれば彼も馬込文士の列に加えたいと思います。

お仕事、がんばってください♪


ここにも“ヨン様の笑顔”
ケンサク 2004/08/04(Wed) 15:32 No.125

ええと、“ヨン様の笑顔”が
なんと 田端文士村記念館にもあったのですよ。
晩年の芥川龍之介は研ぎ澄まされたお顔になっていますが、
もう少し前の穏やかなお顔は、ヨン様にそっくり。
ポイントはクリッとした愛嬌あるお目目。
長髪にして茶髪にしたら瓜二つかな?
ってくらい似ている写真もありました。

田端文士村記念館では、
芥川龍之介のフィルムを見ることもできます。
“動く龍之介”を見るのは初めてで、興味深かったです。
木に登っているところや煙草を吸っているところが写っていました。


ヨン様の笑顔
ケンサク 2004/08/02(Mon) 11:10 No.124

『冬のソナタ』のヨン様ですが、
あの笑顔はホント素敵ですね。
妻が毎週土曜日を心待ちにしてしまうというのもしようがないか。
許そう。

その“ヨン様の笑顔”ですが、
どこかで見たことがあるんです。
20〜30年ほど前にテレビドラマによく出ていた頭に「荻」か「萩」がつく俳優さんの笑顔によく似ているんですね。
あと、 もっとずっと身近な人の笑顔にも似た笑顔があったような気もします。


『雪国』、ゲット
ケンサク 2004/07/30(Fri) 16:08 No.123

やりました。
『雪国』、ゲットです。

昨日寝しなに、たまたま川端康成の本の一覧を眺めていました。
『雪国』の表紙は、和紙につっつっつと筆を走らせたような絵に、
黒々と墨で「雪國」。
昭和12年。版元は創元社です。

『雪国』は「馬込文学マラソン」で取り上げているのでいつかは出版当時の形で見てみたい、
できれば手にとって読んでみたいと思いました。
でも、買ったら10万とか20万、あるいはそれ以上するでしょうか。
馬込図書館にあったかな? 思い出せません。

と、そのことは忘れて、今日たまたま近所の古本屋さんに入ったのですが、
どこか見覚えのあるビジュアル・・・、
あれ?! 『雪国』ではないですか!
値段を見ると、 なんと10万とか20万ではなくて、
さ、300円なのですよ、300円!
およそ牛丼一杯分の値段ですね。
最高に嬉しかった。
言うまでもなく、即、ジレに持っていきました。

「ほんとこんな値段でいいんですか?」と僕。
30万円の間違いだったら、シャレになりません。
「ええ、ええ、ときどき本の山の中に混ざっているんですよ」とおばさんはニコニコ顔。
やったぜ! お宝をいただき!
深々と頭を下げて店を辞したのでした。

今これを書いているコンピュータのすぐ脇に
『雪国』があります。本物です!(←ジ・マ・ン)
あ〜、うれし〜♪

念のためにいっておけば、むろん初版ではありません。
48版(笑)。ですが見た目、初版とぜんぜん変わりません。
満足です。

装幀は、芹澤けい介(「けい」は、金篇に圭)。
蒲田に工房を構えていたようです。
いろいろつながってきます。