馬込作家 一覧
馬込文学圏に何らかの関わりがあった作家をここでは「馬込作家」と呼ぶことにしています。馬込文学圏に一時期でも住んだ作家しかり、馬込文学圏を舞台にした作品を書いた作家しかり、です。また、馬込作家について書いた作家や、馬込文学圏にお墓のある作家や、馬込文学圏にちょくちょくやってきた作家なども含めています。
作家というと小説家を指す場合が多いようですが、ここでは文章を何らかの形で残した人全てを、その職業によらず作家と呼ぶことにしています。ですから、小説家はもちろんのこと、詩歌の作者、評論家、劇作家、また、その他一般の人々なども作家と呼び、興味の赴くままに取り上げたいと思っています。
以下に、作家名と、取り上げた(取り上げる予定の)作品を、簡単な説明を付して列記します。「→」のある作家についてはアップ済みで、当該ページへのリンクになっています。
作家の並びは、生年月日順です。アップ済みの作家は上に固めました。名前の後の( )内には生まれた年・月です。
片山廣子(1878 明治15)→
芥川龍之介を虜にした歌人。馬込文学圏に大邸宅を構えていました。
●『翡翠』。第一歌集。気品と情熱。
志賀直哉(1883 明治16)→
冷徹なまでに自分を料理。一時期馬込文学圏住まい。
●『暗夜行路』。志賀直哉の文の妙味について触れました。
辻 潤(1884 明治17)→
尺八片手に放浪したダダイスト。馬込文学圏も転々としています。
●『絶望の書』。はちゃめちゃなのに、深い?
北原白秋(1885 明治18)→
今も歌われる童謡をたくさん残しました。23度目の引っ越しで馬込文学圏へ。
●『桐の花』。牢屋から出てすぐに出した歌集。
萩原朔太郎(1886 明治19)→
日本近代詩の最初の1ページを開いた人。馬込文学圏に3年間ほど住みました。
●『月に吠える』。多く人に衝撃を与えた一冊。
国枝史郎(1887 明治20)→
再評価が進む伝奇小説作家。晩年を馬込文学圏で過ごしました。
●『神州纐纈城』。三島由紀夫が絶賛した小説です。
室生犀星(1889 明治22)→
詩人としても小説家としても第一級。35年近くも馬込文学圏に住みました。
●『黒髪の書』。疎外された人たちの救いを模索します。
倉田百三(1891.2 明治24)→
求道的な作風を持つ作家。晩年を馬込文学圏で過ごしました。
●『出家とその弟子』。ロマン・ロランも絶賛した感動的戯曲。
広津和郎(1891.12 明治24)→
罪をきせられた20人もの人を救った作家。4年ばかり馬込文学圏に。
●『昭和初年のインテリ作家』。過渡期の、作家達の苦悩。
芥川龍之介(1892 明治25)→
萩原朔太郎、室生犀星、片山広子、北原白秋に会いに馬込文学圏を訪れています。
●『魔術』。魔術師は実在した!?
小島政二郎(1894 明治27)→
人物伝を得意とした人気作家。戦中にわたり7年ほど馬込文学圏に。
●『眼中の人』。友達だった芥川龍之介や菊池 寛の魅力炸裂。
吉屋信子(1896.1 明治29)→
女性を愛した女流作家。2年ばかり母親と馬込文学圏に住んでいます。
●『花物語』。「かなし(悲し)」は「かなし(愛し)」。
牧野信一(1896.11 明治29)→
ギリシア・ローマの影響を受けた作家。尾崎士郎の誘いで一時期馬込文学圏住まい。
●『西部劇通信』。日本なんだか、遠いどこかの国のことなんだか・・・。
宇野千代(1897 明治30)→
語り口が魅力の作家。夫を北海道におきざりにして尾崎士郎と馬込文学圏で同棲。
●『色ざんげ』。実話に基づく恋の怖〜い話。
尾崎士郎(1898.2 明治31)→
馬込文学圏といえばこの人。彼の周りには常に人が集まってきました。
●『空想部落』。正しさよりも大切なことがありそうです。
藤浦 洸(1898.9 明治31)→
「別れのブルース」の作詞家。馬込文学圏時代は詩を書いていました。
●『らんぷの絵』。笑いながらも、時にほろりと。
川端康成(1899.6 明治32)→
詩的言葉を紡いだノーベル賞作家。馬込文学圏に1年ほど住みました。
●『雪国』。葉子という女性にスポットを当ててみました。
間宮茂輔(1899.2 明治32)→
鉱山や灯台での労働経験を持つ作家。尾崎士郎の家に集っていました。
●『あらがね』。鉱山労働者の悲喜を描いて、当時そうとう読まれた本。
石坂洋次郎(1900.1 明治33)→
『青い山脈』などのベストセラー作家。慶応大学在学中、馬込文学圏に住みました。
●『海を見に行く』。夫婦喧嘩のすさまじさ。しみじみ笑えます。
榊山 潤(1900.11 明治33)→
歴史ものの分野で活躍。馬込文学圏にいた頃は新聞社の文芸部の記者でした。
●『馬込文士村』。馬込文学圏にいた作家たちのどんちゃん騒ぎが楽しい。
稲垣足穂(1900.12 明治33)→
今だ人気の根強い作家。馬込文学圏の衣巻省三のところに2度居候しました。
●『一千一秒物語』。なんだこりゃ? のステキなメルヘン世界。
三好達治(1900.8 明治33)→
昭和初期を代表する抒情詩人。萩原朔太郎を慕って馬込文学圏に住みました。
●『測量船』。彼の代表作が詰まっています。
石川善助(1901 明治34)→
仙台を代表する詩人。馬込文学圏で客死しています。
●『亜寒帯』。遠い場所、遥かな太古への憧れ。
真船 豊(1902.2 明治35)→
文学座で活躍した戯曲家。大森(馬込文学圏)時代、大森十五という名で。
●『鼬』。庶民のさもしさと、そこに漂う哀感。
北園克衛(1902.10 明治35)→
詩から意味を殺ぎ落とした人。馬込文学圏に20年近くいた。
●『VOU』。北園克衛主宰の芸術誌。クールなデザインが光る。
山本周五郎(1903 明治36)→
反骨の人情もの作家。15年戦争に当たる期間を馬込文学圏で過ごしました。
●『樅ノ木は残った』。宇乃という少女は知っていたのです。
井上司朗(1903 明治36)→
戦中、内閣情報局で敏腕をふるったという人物。歌人でもあります。
●『証言・戦中文壇史』。文芸評論家の平野 謙に噛み付いています。
佐多稲子(1904.6.1 明治37)→
社会と自分を静かに見つめた作家。馬込文学圏で7ヶ月の仮住まい。
●『水』。少女のけなげさが心を打つ。
城 昌幸(1904.6.10 明治37)→
捕物帳でも活躍したミステリー作家。馬込図書館の近くに住んでいました。
●『怪奇製造人』。背中にゾクッとくるショートショート集。
堀 辰雄(1904.12 明治37)→
戦前・戦中・戦後と叙情的文体を貫いた作家。
●『聖家族』。見事な造本に触れました。
高見 順(1907 明治40)→
日本現代文学は彼から始まると言われます。馬込文学圏時代、治安維持法で下獄。
●『死の淵より』。死の淵で書かれた壮絶な詩編。
井上 靖(1907 明治40)→
登場人物のストイックさが心を打つ。
●『氷壁』。切れたザイルを巡る人間ドラマ。
南川 潤(1913.9.2 大正2)→
清冽なタッチで風俗を描いた作家。20年近く馬込文学圏に住んでいます。
●『風俗十日』。馬込文学圏のショットバーが小説の舞台です。
辻 まこと(1913.9.20 大正2)→
山とギターを愛した自由人。馬込文学圏のアパートにもいました。
●『山の声』。自然の声に耳を澄ませた好エッセイ。自作の絵もすごい!
染谷孝哉(1918 大正7)→
馬込文学研究の草分け。弁天池近くの住吉荘で、一人、文学研究。
●『大田文学地図』。“仕事”について考えてみました。
関口良雄(1918 大正7)→
山王書房主人。名物古書店主。
●『昔日の客』。山王書房を訪れたあの人この人。
野村 裕(1919 大正8)→
馬込東中の校長もされた馬込文学研究家。
●『馬込文士村の作家たち』。足で回りながら書いた労作。
萩原葉子(1920 大正9)→
萩原家の地獄を描いた作家。
●『天上の花』。三好達治の意外な一面に驚かされます。
瀬戸内晴美(1922.5 大正11)→
情熱的に生きた女性を描く作家。
●『美は乱調にあり』。伊藤野枝や大杉 栄が登場。
近藤富枝(1922.8 大正11)→
文壇史に新境地を開く。
●『馬込文学地図』。胸のすく女性作家たちの活躍。
三島由紀夫(1925 大正14)→
日本浪漫派のヒーロー。10年以上も馬込文学圏に住んでいました。
●『豊饒の海』。三島邸を見ながら読書しました。
村松友視(1940 昭和15)→
大のプロレスファン。元は「中央公論」の敏腕編集者。
●『力道山がいた』。ヒーローのあまり知られていない出身地など。
[ 取り上げる予定の作家と作品 ]
※「近日アップの予定」以外は、50音順
・池波正太郎『本門寺暮雪』※近日アップの予定
・池部 良『風が吹いたら』※近日アップの予定
・鯨 統一郎『月に吠えろ! 』※近日アップの予定
・小関智弘『大森界隈職人往来』※近日アップの予定
・下母澤
寛『勝海舟』※近日アップの予定
・高村 薫『レディ・ジョーカー』※近日アップの予定
・沢木耕太郎『バーボンストリート』※近日アップの予定
・山本太郎『ゴリラ』※近日アップの予定
・絲山秋子『ニート』
・井原西鶴『八百屋お七』
・今井達夫『馬込文学村』
・内田 誠『落穂抄 〜露伴先生に聞いた話〜』
・江角英明『六花ふるふる』
・大町佳月『東京遊行記』
・大山眞人『昭和大相撲騒動記』
・小栗風葉『青春』
・岡田三郎『秋・冬』
・恩田 陸『給水塔』
・梶井基次郎『桜の樹の下には』
・片桐はいり『わたしのマトカ』
・上泉秀信『村道』
・新井宿義民六人衆『訴状』
・川口松太郎『日蓮』
・川端紀美子『父の画室の隅で』
・川端龍子『画人生涯筆一管 川端龍子自叙伝』
・北村小松『マダムと女房』
・木下順一『冬の時代』
・衣巻省三『けしかけられた男』
・清浦圭吾『明治法制史』
・久世光彦『蕭々館日録』
・邦枝完二『お伝地獄』
・国木田虎雄『鴎』
・黒井千次『黄金の樹』
・欅館弘二郎『大森地獄谷飲み屋街薄ら雪』
・幸田 文『闘』
・幸田露伴『五重塔』
・幸徳秋水『大森駅奉送記』
・後藤浅次郎『大森山王と周辺の歴史を探る』
・草野心平『第百階級』
・西東三鬼『冬の桃』
・佐藤惣之助『華やかな散歩』
・薄田研二『暗転 〜わが演劇自伝〜』
・島田ばく『大田区の民話と昔話』
・杉本苑子『マダム貞奴』
・宗 瑛『空の下に遊ぶ獣の子達』
・添田さつき『教育者』
・高田 保『ブラリ瓢箪』
・立原道造『萱草に寄す』
・辻井 喬『暗夜遍歴』
・辻村もと子『馬追原野』
・十返 肇『「文壇」崩壊論』
・徳田秋声『仮装人物』
・徳富蘇峰『蘇峰自伝』
・徳富蘆花『日本から日本へ』
・長岡輝子『夫からの贈りもの』
・中村一枝『ふたりの一枝』
・中村真一郎『心の裂け目』
・中村丁女『今日の風 今日の花』
・夏目漱石『虞美人草』
・秦 豊吉『大原女』『現代美人論』
・葉山嘉樹『淫売婦』
・原 民喜『夏の花』
・葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』
・日夏耿之介『黒衣聖母』
・広津柳浪『女子参政蜃中桜』
・平野 謙『現代の作家』
・堀口大学『月光とピエロ』
・松本清張『砂の器』
・三浦綾子『夕あり朝あり』
・村岡花子『赤毛のアン』
・村山知義『演劇的自叙伝』
・室伏高信『民主主義と日本』
・モース『大森貝塚』
・保高徳蔵『或る死ある生』
・矢田挿雲『江戸から東京へ』
・山川 均『山川均自伝』
・山本有三『真実一路』
・横溝正史『黒猫亭事件』
・和辻哲郎『古寺巡礼』
※以下は作品選択中です。(50音順)
・秋田忠義
・上原 謙
・臼井大翼
・河童亭六人衆
・川崎 洋
・川端茅舎(かわばた・ぼうしゃ)
・北川千代
・北村初雄
・近藤栄一
・鈴木彦次郎
・瀬戸英一
・添田唖蝉坊(そえだ・あぜんぼう)
・竹村俊郎
・富永次郎
・近松秋江
・筒井敏雄
・内藤 濯(ないとう・あろう)
・中田信子
・南江次郎
・橋田東声
・埴原一丞(はにはら・いちじょう)
・菱山修三
・プロコフィエフ
・南方熊楠
・矢嶋歓一
・柳沢 健
・山崎泰雄
・吉植庄亮
・吉田甲子太郎(よしだ・きねたろう)
・吉村鉄太郎
参考文献:
・『馬込文士村ガイドブック(改訂版)』
(東京都大田区立郷土博物館 平成8年)
・『記された大森駅』
(東京都大森貝塚保存会 平成18年)
・『大田文学地図』
(染谷孝哉 蒼海出版 昭和46年)
※当ページの最終修正年月日
2008.4.13

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