理想の男性

「四月六日 神人のノート作る、----雑誌のものゝ力節しよき作品一つに毎年専心したし、人生のたそがれによき仕事残すべし」

57年前の4月6日に書かれた吉屋信子(55)の日記の一節です。文中の「神人」とは、翌年、毎日新聞社から発行されることになる『安宅家の人々』の構想時のタイトルのようです。

吉屋はこの小説で、理想の男性像を、知的に障害を持つ一人の男性において造形しようと試みます。この冒険的構想は、吉屋の最大の理解者だった門馬千代ですら、最初危惧の念を表したといいます。それでも吉屋は確信を持って書き、そして、「吉屋信子の戦後最大の傑作」とも評される作品が生まれるのでした。

[馬込文学マラソン] 吉屋信子の『花物語』を読む→

参考文献:
・『吉屋信子 〜隠れフェミニスト』
 (駒尺喜美 リブロポート 平成6年)

参考サイト:
国立国会図書館/蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)→

※当ページの最終修正年月日
2008.4.5