ててなしご

101年前の1月30日、高見 順が福井県三国で生まれたとされています(晩年の本人の言では、明治39年の12月生まれとのこと)。

父親は当時の福井県知事で、県下巡察のおりに高見の母と出会い、高見が生まれました。高見は私生児として届けられ、母の手一つで育っていきます。

△△氏が初めて私の母親を見たのは、彼が福井県知事として県下巡察の砌、M-町に来た時で、日露戦争当時の風習として食事の給仕に選ばれた素人娘が夜伽のつとめもせねばならなかつたものかどうか、私はそれを詳らかにせぬが、母親は不幸にもその時、私といふ因果な子を孕んだのである。やがて私は、恐らく△△氏の呪ひを受けつつ、なんにも知らない呱呱の声を挙げた。(高見 順『わが胸の底のここには』より)

参考文献:
『高見 順 人と作品』
(石光 葆 清水書院 昭和46年2刷)P.8-18

[馬込文学マラソン] 高見 順の『死の淵より』を読んで→

※当ページの最終修正年月日
2008.1.29